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新時代の働き方、ワークライフインテグレーションとは?

こんにちは!奈良でコワーキングスペースを運営している「YAMATOBASE(ヤマトベース)」です。

本日は近年話題になっているワークライフインテグレーションについてお伝えしたいと思います。

ワークライフインテグレーションとは、仕事とプライベートを統合する考え方です。慶應義塾大学教授の高橋俊介氏や経済同友会によって提唱されたもので、個人におけるメンタルヘルスの維持や生活の質を高める効果があると言われております。

ワークライフバランスとの違い

仕事とプライベートのバランスを維持する言葉として、「ワークライフバランス」が使われてきました。こちらもまた、仕事とプライベートを調和させるという意味においては似ているものの、仕事とプライベートとは互いに交わらない要素として捉えていることから、常に両者がバランスをとっていられるよう調整する必要がありました。例えば「仕事で活躍するために、プライベートの時間を削る」「子どもの面倒を見るために仕事を減らす」といった偏りが発生してしまいます。

一方、ワークライフインテグレーションは、仕事とプライベートを線引きせず、完全に一体化させながら人生の充実を図る方法です。

ワークライフインテグレーションのメリットとデメリット

メリット

・多様な働き方が実現できる

ワークライフインテグレーションは、仕事とプライベートに線を引く必要がないため、リモートワークや在宅勤務といった柔軟な働き方ができます。育児中や介護中の方、療養中の方など、働きたいけど働けない人も自分の生活レベルにあった働き方を選択できます。

・仕事と家庭を両立できる

仕事が忙しくて「出会いのチャンスを拡げられない」「家族といる時間がない」など、プライベートを犠牲にすることがなくなります。子育てに集中する際は時短勤務やリモートワークを活用し、時間に余裕のある時は仕事に専念するというように、一日の中でメリハリをつけることができます。

・生産性が向上する

仕事とプライベートに境界線がないため、休みたい時に休めます。残業して無理やり終わらせることがなくなり、企業全体の生産性が向上します。プライベートの時間も柔軟に確保できるので、ストレスフルな状態から解放されます。

デメリット

・自己管理能力が重要になる

仕事とプライベートの境目がないため、従業員は今まで以上に自己管理能力を問われます。自己管理能力が低い人は、慢性的に長時間労働に陥ってしまったり、プライベートの時間を確保できなくなる恐れがあります。

・平等な評価制度を設計するのが難しい

ワークライフインテグレーションは、従業員に多様な働き方の選択肢を提示できますが、企業側は平等に従業員を評価することが難しくなります。そのため綿密な評価制度の設計が重要になります。

なぜ今ワークライフインテグレーションが必要なのか?

高度経済成長期の日本には「終身雇用」「年功序列」といった働き方が適していました。それは、働き続ければ年収が上がり続けると確約されていたからです。多くの従業員は安定を求め、日夜働き続けました。しかし、IT技術の登場によってグローバル化が進み、「20世紀型働き方」では立ち行かなくなりました。そして1990年代初頭にバブルが崩壊し、日本は「失われた15年」といわれる暗黒期に突入しました。さまざまな施策を講じるも、日本経済の悪い流れを断ち切ることは未だできていません。スイスのビジネススクールIMDが発表した「世界競争力ランキング」を見ると、日本は1990年にランキング首位だったのが、1995年に4位、2000年に21位、そして2018年は30位まで順位が下落しています。世の中が「多様化社会」になる中で、日本の働き方はほとんど変化していません。近年は「長時間労働による過労死」「粉飾決算問題」という形で綻びが出始めています。まさに働き方を変革するタイミングに差し掛かっているように感じます。

             日本の年功序列を傍から見て疑問に抱く若者

ワークライフインテグレーションを取り入れている企業例

・日本アイ・ビー・エム株式会社

日本アイ・ビー・エムでは、職種ごとに適した働き方を設計しています。SE・コンサルタント・研究開発職には「裁量労働制」を、営業職には「みなし労働時間制度」を、管理部門は「フレックスタイム制」を採用しています。また、時間と場所の制約をなくす「eワーク制度」「ホームオフィス制度」も取り入れています。

・ソウ・エクスペリエンス株式会社

ソウ・エクスペリエンスでは、「子連れ出勤制度」があります。託児所に預けるのではなく、同じ空間で子供と一緒にいながら働くことができます。ちなみに、子連れ出勤できるのは3歳までとしています。

・アディダス

こちらは日本の事例ではありませんが、事例としてご紹介します。アディダスのドイツ本社では、2010年ごろにワークライフインテグレーションを導入しています。1ヶ月の就労時間の20%はどこで仕事しても良い制度や、週40時間以内であれば、勤務時間を自由に振り分けられる制度など、多様な働き方が実践されています。

・株式会社マツリカ

マツリカでは各々がモチベーション高く、生産的に働ける状態を創るため、コアタイムなしのフレックス制を導入しています。また、各々が最高のパフォーマンスを発揮できる環境で最高の成果を出すため、リモートワークが可能です。これらを利用してワークライフインテグレーションを実現している方もいます。

ワークライフインテグレーションは取り入れるべき?

現代ではフリーランスやリモートワーカーが急増しており、ワークライフインテグレーションの流れは今後さらに加速していくことかと思います。日本になぜこのワークライフインテグレーションの価値観があまり浸透せず、他の先進国に対して働き方改革に遅れをとったかというと、「仕事=楽しくないもの、キツくて大変なもの」という価値観が蔓延していたからのように思えます。しかし仕事とプライベートを切り分けるのは実は凄くもったいないことです。旅行をしたり、街を歩いたりすればそこにビジネスアイディアが隠されていますし、プライベートの時間というのは言わばお客様の体験をしているわけですから顧客のニーズを探ることができます。例えば昭和の時代から普及した冷蔵庫、洗濯機、エアコン、掃除機などの家電製品は今やこれ以上ないほど進化し、「楽をしたい」「便利にしたい」という人々の欲求は既にほぼ満たされてきております。どんなことにお金を払い、どのような体験を求めているか?を常日頃考えることで今の時代にあったビジネスを成長させていくことができます。

またこれからはAiの導入や機械化、自動化がさらに進み、人間がキツくて大変な仕事に従事する必要がなくなっていきます。そのため今後仕事に対する価値観も大きく変わっていくことかと思います。仕事とは人々を幸せにする手段を考え実行すること、ワクワクすることであるという価値観ならば休みがなくても苦になりませんよね。実際にシリコンバレーで働いている起業家はみんな毎日楽しそうにワクワクしながら仕事をしています。私たち大人が子供たちにワクワクしながら働いている背中を見せていけたらいいですね。

参照記事:はたらくあなたを祭り化するメディア

https://weworkjpn.com/contents/knowledge/case188/

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