革新的ビジネスモデル、リーンスタートアップとは

Column
Minimum viable product. MVP. The concept of life cycle of product development. Diagram of life cycle of product development in flat style. Vector illustration on white background. Editable objects.

こんにちは!奈良でコワーキングスペースを運営している「YAMATOBASE(ヤマトベース)」です。

本日は最低限の商材のみを準備することでスピーディに事業を展開し、得られた顧客の声に耳を傾けることでより優れた商材を作り上げていくリーンスタートアップについてお話しさせて頂きたいと思います。

リーンスタートアップの特徴

「リーン・スタートアップ」(lean startup)とは、アメリカの起業家エリック・リース氏が2008年に提唱した、起業や新規事業などの立ち上げ(スタートアップ)のためのマネジメント手法のことです。またリーンとは日本語で「ムダがなく効率的」という意味です。リーン・スタートアップは、事業家の思い込みで顧客にとって無価値な製品やサービスを開発してしまうことに伴う、時間、労力、資源、情熱のムダをなくすための方法論であり、最低限のコストと短いサイクルで仮説の構築と検証を繰り返しながら、市場やユーザーのニーズを探り当てていくのが特徴です。

リーンスタートアップの手法

リーンスタートアップは「仮説構築」「計測・実験」「学習」「再構築」の4つのステップにて実施されます。リーンスタートアップでは、まずは最低限実用に足る製品(Minimum Viable Product)をできるだけ迅速に構築してユーザーに提供します。次に利用者の反応を検証して得られた結果をもとに、当初の事業アイデアの改良・軌道修正を図ります。消費者の需要をつかむために必要な最小限のプロセスのみを繰り返すことで、成功につながらない(非本質的な)要素に対する時間・資金・あるいは情熱などの浪費を省くことができるのです。

https://techpartner.jp/blog/leanstartupより抜粋

リーンスタートアップのメリット・デメリット

メリット

◆ コストや時間がかからない

MVPは完成しきった商材ではなく、あくまでも仮で作られた「プロトタイプ」のようなものです。そのため、MVPを準備するためのコストや時間はかなり抑えられます。また、顧客の反応をもとに修正を加えていく際にも、MVPであればさまざまなコストを抑えた上で修正できます。

◆ 商材をスピーディに提供できる

スタートアップは、未だ市場に出回っていない、価値の高い新しい商材を提供することが重要です。もし仮説を検討している際に別の企業が同様の商材を売り出してしまえば、それだけで価値が半減します。つまり、スピードが勝負といえます。MVPでは完璧を求めないため、その分スピーディな商材開発や事業スタートが可能になります。これにより、同業他社を大きく出し抜くことができます。

◆ 顧客の声を早く拾える

商材を素早く市場に出せるため、顧客の声をいち早く拾うことができます。また、リーンスタートアップは顧客の声を聞き、修正を加えることがステップの中に含まれているため、顧客の声を即座に取り入れ、さらに優れた商品を市場に提供することができます。再構築する際にもMVPをベースに行うため、低コストかつスピード感を持って実施できます。

デメリット

◆ 顧客の声を聞きすぎるあまりビジョンがズレる

リーンスタートアップモデルでは、プロトタイプを複数回市場に提供し、顧客の声をできる限り聞くことが重要とされています。しかし、顧客の声を聞きすぎることによってどちらの意見を採用したら良いのか混乱したり、当初の商材イメージとはかけ離れたものになったりしてしまい、創業当初の理念やビジョンがズレる恐れがあります。

失敗を恐れるあまり大きな成功につながらない

リーンスタートアップは非常に堅実的なビジネスモデルですが、失敗を恐れるあまり大きな成功につながらない場合があります。例えばコカコーラやスマートフォンも発売当初は「こんな商品誰が買うんだ?」「使いづらい!」と言われましたが、今では当たり前のように普及しました。時代を先取りしパラダイムシフトを起こすような革新的な商品やサービスを消してしまう可能性もあるのですね。

私たちに求められる具体的なアクションプラン

経営者の性格により大きく分かれるのでリーンスタートアップを取り入れるべきかどうかは断定できませんが、僕としてのオススメのリーンスタートアップの取り入れ方をご紹介させて頂きます。

商工会議所へ行き経営革新計画の認定を受ける

地元の商工会議所へ行くと経営相談や融資、補助金の案内を受けることができます。その中でもオススメなのが経営革新計画の提出です。経営革新計画を提出すると思い描く事業計画が行政の方々にご理解、ご納得頂けるかどうかが分かります。客観的な妥当性があるかどうかが判断できますし、見事承認を得られることができれば補助金などの申請でも有利になります。詳しくは経営革新計画について経営革新計画作成のポイントをご覧ください。

コワーキングスペースに入居している他スタートアップの方からの意見をもらう

そのほかにオススメなのがコワーキングスペースに入居している起業仲間から忌憚のない意見をもらうというものです。起業を志している方なら別の形で出会った方でも構わないのですが、現状はコワーキングスペース以外に起業家が集まるインキュベーション施設というのはあまり見受けられません。また関係性の浅い人や、友達から意見をもらうことはあまりオススメできません。というのも一度ご自身の立場で考えて欲しいのですが、一生懸命にプロダクトを開発している関係性の浅い人や友達に対して素直にダメ出ししたり、アイディアを否定したりすることが果たしてできるでしょうか。関係性の浅い人や、友達から意見をもらうあまりよくある大失敗例がアプリケーションゲームの開発です。おもしろいアプリケーションゲームを開発してそれを関係性の浅い人や友達に試してもらい「これをお金払って遊びたい?」と聞いたところその場では「Yes」の返事を得られることが多くあります。

確かに電車に乗れば皆携帯でアプリケーションゲームを楽しんでいます。しかしそのうち課金するユーザーはどれくらいかご存知でしょうか?何と2〜5%しかいません。そのため安易にぬか喜びさせてくれる関係性の浅い人や友達ではなく、同じように人生をかけて挑んでいる起業家仲間から真摯な意見を吸い上げた方が有効なのです。

いかがでしたでしょうか?あのユニクロを創り上げ大成功を収めた柳生さんでさえ、起業は1勝9敗だと言っております。経営者は組織のトップがゆえに誰からも叱ってもらえないが故に周りが見えなくなりがちですからこそ、周囲を確認しバランスを保ちながら進んでいきたいですね。

参照記事:Weblio 辞書「リーンスタートアップ」

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